メルマガ登録
※本記事は、ブレインパッドが運営する人工知能ブログ「+AI」に掲載されている記事の転載版になります。
ゲーム開発において、ゲームバランス調整をはじめとする検証作業は重要である一方で多大な時間とコストがかかっていました。課題解決のため、深層強化学習の手法をもちいてゲーム開発における検証作業を自動化するAIシステムを構築し、ゲームクリエイターは網羅的なテストやさらなる品質の向上に集中できるようになりました。
最終更新日:2023.12.15
動作確認のためのテスト作業や、適切な難易度になっているかを確認するゲームバランス調整の作業を効率化し、ゲーム品質をより高めるため、ゲームの検証作業を自動化するAIシステムを開発しました。シミュレーターと呼ばれる疑似装置を通してAIに学習させる深層強化学習の技術をもちいてテストプレイの時間を短縮し、さらに高いクオリティのゲームを開発するための環境構築を支援しました。
更新のサイクルが早いスマートデバイス向けのゲーム開発において、ゲームのリリース前に動作に不具合がないかを確認するテスト作業や、適切な難易度になっているかゲームバランスの確認を行う作業に多大な時間とコストがかかっていることが課題でした。セガゲームスはゲームをテストプレイするAIシステムを独自開発して一定の成果をあげていましたが、テストプレイの時間をより短縮するさらなる改善を検討していました。
深層強化学習をもちいたAIシステムにより、それまで設定条件を変更するたびに60分程度かかっていた再学習の時間を短縮できるようになりました。また、AIシステムによってゲームバランス確認の網羅性が向上したため、複数のステージ・複数のキャラクターが存在するゲームにおいても、従来より大量のゲームバランス検証ができるようになったとともに、ゲームクリエイターが新たなステージの開発に集中することができるようになったため、ゲームの品質を向上できるようになりました。