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スマートファクトリーとは? AIが工場の製造現場にもたらす効果

2019年7月19日

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はじめに

製造業におけるトレンドワード「スマートファクトリー」。ただのトレンドだと思って、対応を先送りしていませんか?近年、工場のスマートファクトリー化は激しい市場競争のなかでますます重要性が高まっています。そこで、「乗り遅れた場合のリスクは?」「成功を阻害する要因とは?」など、スマートファクトリーに関する重要な情報を一挙にまとめて紹介します。

巻末にはスマートファクトリーに関する事例をまとめたホワイトペーパーもご用意したので、ご興味のある方は合わせてご覧ください。

スマートファクトリーとは

スマートファクトリーとは、工場内の機器・設備・センサー・作業員の動きなどの様々な情報を、IoTを活用してインターネットに接続し一元収集することで、モノや設備、人などの動きを可視化してQCD向上や業務効率化・コスト削減などを実現している工場のことです。2011年にドイツで発表された、インダストリー4.0の影響が追い風となって、よりいっそうの注目を集めるようになりました。

工場をスマートファクトリー化することで、機器の稼働状況やヒト・モノの動きをデータとして蓄積・分析できるため、機器の異常検知や保全、人員配置や物流における効率化などの活用が可能となります。また、各種情報がデータ化されることでAIを導入した高度な分析・自動化などが実現できるようになります。

また、スマートファクトリー化で工場内のあらゆる環境がデータで分析可能になるため、「サイバーフィジカルシステム(CPS)」を実現できる環境が整います。これにより、これまで見えてこなかった課題の発見や、業務プロセスの最適化によるコスト削減施策の考案などが可能になります。

スマートファクトリー化に乗り遅れた場合のリスク

ここ数年、注目を浴びている工場のスマートファクトリー化ですが、製造業の経営者・工場の責任者においては、もはやただのトレンドとして無視できるものではなくなっています。その主な理由が、以下の4つです。

 

1.マス・カスタマイゼーション(個別受注生産)需要に、対応できなくなる

近年、顧客ニーズの多様化に伴ってマス・カスタマイゼーションを実現した、多品種少量生産型の製造業態が求められています。しかし、従来の見込み生産型での製造効率を損なうことなく、多品種少量生産の製造を行うことは容易ではありません。部品の発注や管理、他部門との情報共有、在庫や仕掛り在庫の数量最適化によるコストダウンなど、多品種少量生産型の製造業態では見込み生産型の業態以上に、業務プロセスが煩雑化してきます。これらICTを用いずに管理することは現実的ではありません。

業務プロセスが煩雑化してもQCDや製造効率を損なわないためには、機器・設備・モノ・ヒトなどのデータを収集・一元管理して最適化を図れるように、AIによる分析・自動化が可能な環境を作っておくことが重要です。

つまり、マス・カスタマイゼーションによって煩雑化する業務プロセスを一元管理して、業務効率化・QCD向上などが図れるように、スマートファクトリー化による工場の「データ化」が必要不可欠なのです。

 

2.市場競争で不利になる

また、上記のマス・カスタマイゼーションの需要に対応できないこと自体が、市場競争における弱みとなってしまう場合があります。仮に、マス・カスタマイゼーションへの対応が特に必要とならないような市場に参入していたとしても、同じ市場にスマートファクトリー化した競合が現れた場合に、QCDや生産性向上などといった「工場力」で競争に不利となります。

 

3.長期的にみて無駄なコストが掛かる

スマートファクトリーでは、人員や機器・設備の稼働、モノの運搬などにおける無駄を効率化することができるため、コスト削減のメリットがあります。機器・設備のIoT化(センサー取り付け、IoTコントローラの設置など)や、作業員へのウェアラブルデバイス配布など、スマートファクトリー化を実現するためには初期投資が掛かりますが、長期的にみた場合、スマートファクトリー化を行わなかった場合のほうがより多額のコストが発生してしまうことになります。

 

4.人員不足に対応できなくなる

少子高齢化に伴って、製造業でも人材の確保が難しくなってきました。現在の段階から、スマートファクトリー化を進めて業務効率化を推進しなければ、これからますます加速すると予測される人員不足に苦しめられることになります。

また、製造業には技術や経験をもったベテラン技術者の知見が属人的に保有されており、彼らが退職してしまえばそのまま組織から知見が失われてしまうという「技術継承」の課題が往々にしてありました。後の世代に技術・知見を継承するために、スマートファクトリー化によって技術・知見をデータやドキュメントの形に形式化することが必要不可欠です。

スマートファクトリー化の阻害要因

前述のように、スマートファクトリー化の必要性がますます増していますが、まだスマートファクトリー化に取り組めていない工場が多いのも事実です。そこには、次のような阻害要因が存在しています。

 

IoT化・データ収集環境の構築に掛かる費用・ノウハウのハードル

工場をスマートファクトリー化する際、1番コストと労力が掛かるのが初期のデータ収集環境の構築フェーズです。これまでインターネット環境に接続し、データをデータベースに引き渡すことを前提としていなかった機器・設備を、センサーの取り付けや機器の入れ替えなどでIoT化するためには費用・専門知識が必要です。

また、ただ機器のデータを収集するだけではなく、管理システムやAIが活用できるフォーマットでデータを抽出する作業が必要となるため、あらかじめどの機器から何の情報を取得する必要があるのか要件定義し、どうすれば活用できる状態でデータ抽出が行えるのかなどを包括的に設計する工程も必要です。

こうした費用・ノウハウにおけるハードルも、スマートファクトリー化を阻害してしまう要因の1つです。

 

取得したデータを活用できない

また、せっかく必要なデータを収集できる環境を構築できたとしても、それを活用できなければ意味がありません。AIを導入して業務プロセス・コストの最適化を図るための分析・改善サイクル(サイバーフィジカルシステム)を構築するにしても、事前にスマートファクトリー化の目的を決定しておき、必要なシステムやデータの活用方法などをについてイメージを固めておく必要があります。

 

スマートファクトリー化を進める方法

上記のような阻害要因を乗り越え、スマートファクトリー化を進めるためには以下に列挙するような、事前の計画・準備が非常に重要となります。

・スマートファクトリー化の目的を明文化する

・収集するデータ項目を洗い出す

・データのフォーマットを決定・統一する

・データを活用できるシステム環境を整える(管理システム整備、AI導入など)

・セキュリティ対策を講じる

・スマートファクトリー化に必要な予算を確保する

 

上記の準備を整えたうえで、AI・IoTの開発・提供企業を見つけ、相談することをおすすめします。

スマートファクトリーを実現し、AIを活用した実践例

それでは実際に、スマートファクトリー化の事例として、収集されたデータをAIで分析・自動化するなど改善を行う活用方法を3つご紹介します。

 

1.AIが検品業務を自動化、工数・コスト削減と精度向上を実現

従来は作業員が目視で行っていた、不良品・異物混入などの夾雑物の検品業務をAIが自動化/半自動化する例です。製造ラインにカメラを設置して、撮影した画像/映像をAIが解析することで良品以外の夾雑物をロボットアームが取り除くことができます。

良品・不良品の判別精度は、AIによる機械学習で高めていくことが可能です。

 

2.設備の稼動ログから異常検知。予知保全を実現

工場内の機器の稼働ログを収集・分析し、作業員が気づかないような機器の僅かな異音・ログデータの乱れなどを検知して、AIが異常をいち早く見つけます。

従来は、定期的な部品交換などのメンテナンスを行って製造ラインが稼働停止してしまう事態を防ぐ「予防保全」が主流でしたが、想定されていた期間よりも早く故障してしまう場合もありました。このシステムを導入すれば、従来の予防保全に加えて急な機器の異常にも速やかに対応することができ、製造ラインの停止を未然に防げます。これにより、製造ライン停止による機械損失の防止や、コスト削減の効果を得ることが可能です。

 

3.センサーログデータを活用して製造工程を効率化

製造ラインを流れる仕掛品や、機器の稼働状況、または作業員が装着したウェアラブルデバイスからの稼働・位置情報などのログデータを元に、機器の最適な稼働スケジュールや人員の最適な配置などを考え、組み替えられるようになります。計画・改善施策を考案するためには煩雑なデータを処理する必要があるため、AIの導入で考案プロセスも効率化することができます。

 

スマートファクトリーにおける、AI活用のベストプラクティスとは

以上のように、スマートファクトリー化によって収集された工場内のデータに、AIを活用することで製造業は多くのメリットを得ることが可能です。

スマートファクトリー化への取り組みにける、AI活用方法についての詳細は、以下の無料資料にまとめていますので、よろしければ是非こちらもご覧ください。

スマートファクトリー化への取り組み製造業のビジネス課題を解決する「AI活用のベストプラクティス」

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